【管理栄養士監修】コーヒーは体臭の予防・改善に働くって本当?飲み過ぎは逆効果?コーヒーの効果を詳しく解説
眠気覚ましや気分転換などのために飲まれることが多いコーヒー。しかし、「飲みすぎると体臭の原因になる」とか「体臭の予防・改善にコーヒーは役に立つ」とか耳にしたことがある人もいるのではないのでしょうか?でも、実際にコーヒーって体臭とどんな関係があるのか詳しく分からない人も多いはず。そこで、今回は飲み方次第で体臭の原因になったり予防・改善効果があったりするコーヒーについて詳しく解説していきます。
2024年02月08日更新
記事の目次
コーヒーと体臭の関係とは?
コーヒーと体臭は深く関係しています。飲み方によっては体臭を改善する可能性も、悪化させる可能性もあるので普段からコーヒーの飲み方には注意しましょう。
コーヒーには抗酸化物質が含まれていたり、腸の働きをサポートしたりする働きがあるので、体臭の原因にアプローチできると考えられています。
その一方で、コーヒーの過剰摂取が逆に体臭を増加させてしまうことも。
たとえば体臭の原因にもなるお酒やたばこの場合は、それ自体が悪臭を発することで体臭を
引き起こしてしまいます。
コーヒーはそれ自体が悪臭を放つことはありません。
しかし、過剰摂取してしまうと睡眠不足、腎臓・肝臓への負荷、胃腸の不調などにより体臭を
引き起こす原因になってしまうと言われています。
コーヒーと体臭の関係はとても複雑。そのため、上手にコーヒーと付き合うことが大切です。
ここから、コーヒーが体臭に影響する理由を詳しくみていきましょう。
コーヒーが体臭の原因となる理由とは?
コーヒーは適量であれば体臭の予防・改善効果を発揮してくれる飲み物ですが、過剰に飲みすぎてしまうと逆に体臭の原因になってしまいます。
そんなコーヒーが体臭の原因になってしまう理由を詳しく説明します。
睡眠不足
コーヒーは眠気覚ましとして飲まれることがありますが、これはカフェインの覚醒作用によるものです。
通常は少量摂取する分には問題ありませんが、飲む時間が睡眠前であれば、眠れなくなってしまったり眠りが浅くなってしまったりと睡眠の質低下を引き起こしてしまう危険性があります。
その結果、睡眠不足となってしまい、内臓の機能が低下したりストレスが蓄積されたり代謝が低下したり自律神経が乱れたりすることで体臭が発生してしまう危険があるのです。
腎臓・肝臓への負荷
コーヒーの過剰摂取は腎臓や肝臓に負担を与えて、腎機能と肝機能の低下を招く恐れが
あります。
腎機能と肝機能が低下してしまうと、通常は尿として排出されるはずの、アンモニアなどをはじめとする老廃物が排出されずに体内に蓄積されてしまいます。
蓄積された老廃物が血液によって全身に運ばれてしまいます。その結果、呼吸や汗と混ざり合って体臭が発生してしまうのです。
胃腸の不調
コーヒーには胃酸の分泌を促がす作用があります。そのため、コーヒーの過剰摂取は胃酸過多を引き起こしてしまい、胃酸によって口の中が酸性に偏ってしまうので、口臭の原因なってしまうのです。
水分不足
コーヒーには利尿作用があります。そのため、過剰摂取してしまうと体内の水分が排出されすぎて水分不足なる可能性があるのです。
そのため、汗が減ってしまいニオイの成分が濃縮されることで体臭が発生してしまいます。また、唾液の分泌量も減ってしまうのです。
唾液には口臭の原因となる嫌気性細菌を洗い流してくれる働きがあるのですが、口の中が渇いてしまうと洗い流すことができなくなり、食べ物のカスや老廃物等が分解されて口臭を引き起こしてしまうのです。
血行不良
コーヒーにはクロロゲン酸という脂肪燃焼効果がある成分が含まれており、これには鉄と結合しやすいという特徴があります。そのため、コーヒーの過剰摂取は体の中の鉄分不足を招く危険性があります。
体の中の鉄分不足は血行不良を引き起こします。血行不良は酸素量や唾液量の低下を引き起こして、体臭や口臭を引き起こすのです。
皮脂の酸化
コーヒーに含まれるカフェインによって交感神経が優位に働き、男性ホルモンの働きが活性化されます。男性ホルモンが活発になることで皮脂の分泌量が増えるのです。
また、コーヒーに含まれている油分の過剰摂取により皮脂の分泌量が増加してしまうのです。この過剰に分泌されてしまった皮脂は空気に触れると酸化してしまうので油臭い体臭を引き起こす原因になるのです。
コーヒーが体臭改善・予防に働く理由とは?
過剰摂取してしまうと体臭の原因となってしまうコーヒーですが、適量を飲むのであれば、逆に体臭の予防・改善に働いてくれることが分かっています。
ではどうして、体臭予防や改善に効果があるのか詳しく説明していきます。
クロロゲン酸による抗酸化作用
コーヒーに含まれているポリフェノールの一種であるクロロゲン酸には抗酸化作用があります。そのため、活性酸素による皮脂の酸化を防いでくれる働きがあるのです。
皮脂の酸化が抑えられることで、酸化が原因となる頭皮のニオイをはじめとする体臭を防ぐことができるのです。
カフェインによる便秘解消
コーヒーに含まれるカフェインには腸の蠕動運動を活発にする働きがあります。
腸の動きが活発になることで便として体の中の老廃物であるニオイの元にもなるアンモニアや脂肪分などがしっかりと排出されることで便秘が解消されます。
そして、ニオイの元となるものが体の中に蓄積されないことにより体臭を防ぐことができるのです。
胃液分泌による消化促進
コーヒーを飲むことで胃酸の分泌が促されるので消化が促進されます。
体調不良やストレスにより消化不良になってしまうと食べ物がスムーズに消化されずに胃や腸の中で腐敗してしまい悪臭を発生してしまうのです。これが汗や口から排出されることで体臭になってしまいます。
そのため、消化活動が促進されることで胃や腸の中に老廃物がたまらなくなるので体臭を防ぐことができるのです。
リラックス効果
コーヒーの香りを嗅ぐと脳波一種であるアルファ波が多く出現すると言われています。
このアルファ波にはリラックス効果があり、ストレスを軽減してくれます。ストレスがたまると汗や皮脂の分泌量が増加したり内臓の働きが抑制されたりすることで体臭の原因になってしまうのです。
そのため、リラックス効果でストレスを抑えることは体臭を防ぐことに繋がるのです
悪臭を消す
コーヒーに含まれている香り成分であるフラン類にはにんにくやニラなどの強烈なにおいを無臭化してくれる働きがあります。
にんにくやニラはそのまま口臭になるだけでなく、血液に混ざって体の全体に運ばれることで汗や呼吸などから排出されて体臭の原因となります。
しかし、コーヒーを飲むことで臭いのもとを無臭化することができるので、体臭を抑えることができます。
脂肪燃焼効果
コーヒーに含まれているクロロゲン酸には抗酸化作用だけでなく、脂肪の分解や燃焼を促がしてくれる働きがあり、体脂肪を減らしてくれる効果があります。
中性脂肪やコレステロールは体の中で活性酸素により酸化されることで過酸化脂質という物質に変わりニオイの元となるのです。また、皮脂の分泌量が過剰になると体臭の原因なってしまいます。
そのため、脂肪燃焼で体脂肪を減らすことが体臭を抑えることに繋がるのです。
肝機能の改善
コーヒーには肝機能の働きを改善してくれる働きがあると言われています。
過食やストレス、アルコールなどが原因で肝機能が低下してしまうと、アンモニアなどの老廃物が体の中に蓄積してしまい体臭の原因になってしまいます。
コーヒーで肝機能を改善することで老廃物をしっかりと排出して体の中に蓄積しないようにすることで体臭を防ぐことができるのです。
体臭予防・改善に効果的なコーヒーの飲み方とは?
コーヒーは飲み方によって体臭の原因となったり予防・改善効果を発揮したりする飲み物です。
皆さんが気になるのはどうやってコーヒーを飲んだら体臭に効果的であるのかということでしょう。
ここからは体臭の予防・改善におすすめのコーヒーの飲み方についてご紹介します。
1日2~3杯のコーヒーが適量
コーヒーの適正量ですが、健康に良いとされる量については諸説ありますが、上限としては1日2~3杯を目安とすることをおすすめします。
コーヒーで気になるのはそのカフェイン量だと思いますが、厚生労働省の食品安全委員会などでもカフェインの1日上限量においては規定されていません。
しかし、他国では特に胎児への影響を考えて妊婦に関しては規定がされているところもあります。
【世界保健機構(WHO)】
妊婦のコーヒーの摂取量は1日3~4杯までにすべきとしている。
【イギリスの食品基準庁】
妊婦のカフェイン摂取量の上限量を200mg(1杯半くらい)までに抑えるように助言している。また、高濃度のカフェインが自然流産を引き起こす可能性がある証拠もあると示唆しています。
【カナダの保健省】
健康な大人の1日の上限量は400㎎であれば悪影響はないとしている。一方、子どもと妊婦の1日の上限量は4~6歳で45㎎、7~9歳で62.5㎎、10~12歳で85㎎、妊婦や授乳中、妊活中で300㎎というような規定を定めています。
【オーストリアの保健・食品安全局】
妊婦や授乳中の方にはカフェインの摂取を避けるように注意喚起をしており、1日の上限量としては300㎎を超えないように呼びかけている。
【韓国の食品医薬品安全庁(KFDA)】
カフェインの1日摂取上限量としては、大人で400㎎、妊婦で300㎎、子どもにおいては体重1㎏あたりにおいて2.5㎎以下になるように規定されています。
これらを踏まえて考えると、一般的な大人で1日3杯まで、妊婦であれば1日2杯までに抑えてくことが良いでしょう。個人差もあるので自分の体を観察しながらその量は調節しましょう。
食後の1杯がより効果的
外で食事をしてコーヒーがセットになっている時に「コーヒーはすぐにお持ちしますか?食事と一緒で良いですか?食後が良いですか?」と聞かれたことがある人も多いのではないでしょうか?
おすすめなのは「食後に飲む」です。コーヒーには胃液分泌を促がしてくれる働きがあるので、食後に飲むことで消化不良により老廃物が体の中に蓄積されるのを防ぐことができるので、体臭を抑えるのに効果的です。
睡眠8時間前(夕方以降)には飲まない
カフェインには覚醒作用のあるカフェインが含まれています。そのため、夕方以降に飲むと夜眠れなくなったり眠りが浅くなってしまう可能性があります。
そして、カフェインの効果の持続は約8~14時間と言われているので、コーヒーを飲む場合には睡眠の8時間前までに飲むことをおすすめします。
もし、飲む場合は朝や昼、おやつの時間までに飲むように心がけたら大丈夫でしょう。
おすすめの豆はグアテマラとブルーマウンテン
コーヒーの香りにはリラックス効果があると言われていますが、その香りは豆の種類によっても変わります。
そのため、アルファ波をより多く出す効果が期待されると言われるグアテマラかブルーマウンテンのコーヒー豆を選ぶことをおすすめします。
深煎り焙煎がおすすめ
リラックス効果を得られる香りはコーヒーの焙煎の度合いにも左右されます。そのため、よりリラックス効果を得るためには焙煎の程度にも気をつけたいところです。
深煎りに焙煎することでコーヒーの香ばしい香りがより引き立たせられるので、ぜひ深煎りのものを選んでみてください。
ドリップコーヒーがおすすめ
コーヒーの飲み方にはインスタントや缶、ドリップなどがありますがどの飲み方がお好きでしょうか。
コーヒーの成分や香りが濃厚に抽出されるドリップがより効果が出やすいですが、その分、飲みすぎは体臭の原因にもなるので注意が必要です。
また、缶コーヒーの場合は香料などで香りを強くしている場合もあるので飲みすぎるとそれが体臭の原因になってしまう場合があります。
ブラックコーヒーがおすすめ
コーヒーを飲む場合に牛乳や砂糖などを入れて飲む人も多いのではないでしょうか?
コーヒーの効果を効率的に得る場合には何も入れないブラックコーヒーを飲むことをおすすめします。
また、糖質や脂質の摂りすぎは体臭の原因にもなることから、ブラックコーヒーで飲むのが1番体臭を抑えるのには効果的であると言えます。
コーヒーと体臭についてよくある質問
ここまでコーヒーと体臭について良い点も、悪い点もお伝えしてきました。ご自身の
ライフスタイルに合わせてコーヒーの飲み方を変えようと思った方も多いのではない
でしょうか?
ここからはコーヒーと体臭についてよくある質問について見ていきましょう。
コーヒーは体臭の原因になる?
コーヒーは過剰に接種することで体臭の原因になったり、体臭を悪化させる可能性
もあります。
主に、コーヒーによる睡眠不足、腎臓・肝臓への負荷、胃腸の不調、水分不足、血行不良、
皮脂の酸化が、体臭を引き起こす原因です。
- 睡眠不足
カフェインの覚醒作用によるもの。飲む時間に注意しましょう。寝る前に飲むと睡眠の質が
低下したり、眠れなくなってしまいます。睡眠不足になると内蔵機能の低下やストレスの
蓄積、自律神経の乱れによって体臭がきつくなってしまう可能性も。
- 腎臓・肝臓への負担
腎機能、肝機能が低下すると老廃物を排出できず、体に蓄積してしまい、結果として体臭の
原因になってしまいます。
- 胃腸の不調
コーヒーを過剰に飲むと胃酸過多になり、口の中が酸に寄るので、口臭の原因に。
- 水分不足
コーヒーの利尿作用が水分不足を招き、汗が減ることでニオイの成分が凝縮され、体臭を発生させていしまいます。また、口の中が乾くと嫌気性細菌を洗い流せなくなり、口臭を
引き起こしてしまう可能性があるので注意が必要です。
- 血行不良
コーヒーに含まれるクロロゲン酸という脂肪燃焼効果が期待できる成分が鉄と結合するため、体内の鉄が不足し、血行不良を招く可能性も。血行不良は酸素量や唾液量の低下を
起こしてしまい、口臭や体臭の原因になってしまいます。
- 皮脂の酸化
カフェインによって交感神経が優位に働き、男性ホルモンの働きが活性化します。
男性ホルモン増加により皮脂の分泌量が増えることや、もともとコーヒーに含まれる
油分の過剰摂取により皮脂量が増えることも。過剰分泌された皮脂は空気に触れると
酸化してしまうので油臭い体臭を引き起こす可能性もあります。
コーヒーを飲んでも臭くならない方法は?
コーヒーを飲んでも臭くならない方法を3点ご紹介します。
- 水分補給をおこなう
カフェインの利尿作用により体内の水分を排出しやすくなります。コーヒーを飲むときは水もしっかり飲むようにしましょう。
- 無糖のコーヒーを飲む
甘味のあるコーヒーに含まれる糖分は、腸内で悪玉菌を増殖させてしまう可能性があります。悪玉菌が増殖すると、体臭の原因となる物質が生成されやすくなるため、コーヒーを飲むときは、無糖のコーヒーを選ぶようにしましょう。
- コーヒーを飲みすぎない
コーヒーを飲む量を制限し、体臭の増加を抑制しましょう。
コーヒーには体臭を消す効果がある?
コーヒーは適度な摂取なら、体臭を抑制する可能性もあります。体臭を消すコーヒーの効果について主に3点ご紹介。
- カフェインによる便秘解消
カフェインには腸の蠕動運動の活発化をサポートする働きがあります。腸の働きが活発に
なれば、体の中の老廃物であるアンモニアや脂肪分がしっかりと排出され、便秘改善にも
ニオイ対策にも役立つ可能性があります。
- 胃液分泌による消化促進
コーヒーは胃酸の分泌を促し、消化を促進。消化活動が良くなると胃や腸の中に老廃物が
溜まらなくなり、結果として体臭を防ぎげる可能性があります。
- リラックス効果
コーヒーの香りにはアルファー波を多く出現させる効果があると言われています。
アルファー波が出ることでリラックス効果も期待できますよ。
ストレスが溜まると汗や皮脂の分泌量が増加したり内臓の働きが抑制され、体臭の原因に。
リラックス効果でストレスを抑えることは体臭を防ぐことに繋がります。
コーヒーを上手に飲んで体臭予防・改善に役立てよう
コーヒーはその飲み方次第で体臭の原因になったり予防改善に働いたりしてくれます。
嗜好品でもあるコーヒーは毎日飲まないと落ち着かないという人もいると思います。
ただし、飲みすぎてしまうと悪影響が生じてしまうので、飲みすぎにだけは気をつけて
コーヒーを楽しみながら体臭予防や改善にもぜひ役立てましょう。
そして、臭いにおいとはさよならしましょう。